完成させることは、
多くの場合、
正しさのように扱われる。
終わらせる。
仕上げる。
形にする。
そこまで辿り着いて、
ようやく意味が生まれると
信じられている。
けれど、
完成した瞬間に、
動かなくなるものもある。
手を入れられなくなり、
触れにくくなり、
距離が固定される。
未完成なままのものは、
不安定に見える。
評価されにくく、
説明もしにくい。
その代わり、
呼吸する余地が残る。
完成させないという選択は、
投げ出すこととは違う。
続けるために、
閉じないという判断に近い。
形を決めすぎると、
考えは止まる。
言い切るほど、
戻れなくなる。
未完成のまま置くことで、
考えは、
まだここに居られる。
完成とは、
終わらせることではない。
これ以上、
急がなくていい状態になること。
もし今、
仕上げられないものがあるなら、
それは不足ではない。
まだ、
閉じなくていいだけかもしれない。
完成させないという完成。
そのままでも、
残っているものがある。