足りないと感じると、
人は何かを足そうとする。

知識。
道具。
選択肢。

増やすことで、
前に進める気がするから。


けれど、
足したものがそのまま残ると、
判断は少しずつ重くなる。

選べるはずなのに、
決められなくなる。


増やすことは、
目に見えて分かりやすい。

成果があるように見えるし、
努力している実感もある。

一方で、
減らすことは静かだ。

何も起きていないように見える。


減らすという選択は、
多くの場合、
遅れて評価される。

その場では、
何も変わらない。

ただ、
迷いが少し減る。


本当に必要なものは、
多くない。

そう分かっていても、
なぜか数は増えていく。

減らす決断には、
勇気ではなく、
距離が要る。


距離があると、
足さなくても壊れないことが見えてくる。

急がなくても、
失われないものが分かってくる。


足す前に、
一つ減らす。

それだけで、
判断は少し軽くなる。


足す前に、減らすという選択。

いまは、
その順番を思い出すだけでいい。